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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

「上からの言葉」への下々の殺意

あらら、阪急電車の「はたらく言葉たち」満載列車(ハタコトレイン)の運行が秒殺で中止。

経営者やバブル経験者、20代会社役員などによる有難い「はたらく言葉たち」を満載した阪急の車両が、運行を中止することになりました。

【速報】阪急「ハタコトレイン」運行中止、「月50万」など経営者や勝ち組からの「はたらく言葉たち」への批判受け (2019年6月10日) - エキサイトニュース

さくっと調べてみると元々は、企業のブランディング(平たくいうと広告?)をやる「パラドックス」という会社が、クライアントのキーマンや「ヒーロー・ヒロイン社員」からヒアリングした「名言」を、パンピー(下々の無名奴隷)の「やりがいや誇りを見出だすきっかけに」するべく編集したもののよう。

その有難〜いご高説を、阪急電車の車内にコラボ企画としてベタベタ貼り付けたところ、炎上→中止となった。

はたらく言葉たちの成り立ち

私たち、パラドックスは約15年に渡り、人の志を軸に多くの企業様のブランディングに携わってきました。会社の中核を担う社員様のヒアリングの中で毎回のように紡ぎ出されるのは、はたらくことにまつわる名言たち。これを自分たちだけで、とどめておくのはもったいない。この言葉を、もっと多くの人に届けることで、働くことにやりがいや誇りを見出だすきっかけにならないだろうか。そう考えて、年に一度これらの言葉を一冊に編集し、世の中に発信しています。

はたらく言葉たち

まあこれ、ブラック企業として問題になった居酒屋チェーンの社長のものらしき言葉が入ってたり、「(月給)30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方ない生活」を肯定していたり、ブランディングにしても脇の甘さ全開なんだけど、俺が思うのはやはり、これは朱子学カルト爆裂故に炎上しているのだと思う。

「会社の中核を担う社員様」とは要するに、経営層とその経営層に気に入られている社員の言葉である。つまり「支配者とその走狗」の「上からの言葉」ということになる。経営層に評価されたり、気に入られている優良奴隷のことを、この会社は、「ヒーロー・ヒロイン社員」と呼んでたりして、底なしに面妖。

平成の30年間で進行した支配層と被支配層の身分固定とその格差の拡大の果てに、支配層とその走狗からこれでもかっと上から投げつけられる言葉。

アメリカでは、権力者の男性が、下々の女性に向かって偉そうに上から高説をぶる行為が「マンスプレイングmansplaining」と呼ばれて、蛇蝎のごとく忌み嫌われつつある。Mansplaining - Wikipedia

あらゆる人の思想も言説も相対化され、スーパーフラット化している現代においては、そもそも「ご高説」「お説教」「いい話」が機能せず、その関係性によっては聞かされる相手に殺意すらもよおすものなのである。

クライアントのキーマンだけが喜ぶコピーライティングは、エンドユーザーに無視されたり今回のように炎上したりして、結局目的を果たせない。そもそも広告自体が、もはや「上からの言葉」なので、リテラシーの高い人ほど完全スルーする能力がほぼ完璧に身についている。広告とはなべて愚民向け言語、となりつつあるのだ。

受け手のリテラシーを鑑みない「上からの言葉」はその場では聞いているふりをされたとしてももはや誰もまともに聞いてない。俺なんかも、団塊やバブル世代の「ご高説」「お説教」なぞ、一文字も、‪端から‬聞いておらず、何を聞いても右から左である。相手に殺意を抱かせたくなければ、お説教はしないのがベストなのである。途方もない時間の無駄なのである。