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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

陸に沈む

『荘子』に「陸沈」という言葉がある。世間を捨てるのも捨てられるのも簡単だし、世間の空気に従って生きるのは、水に沈むようなものでもっと簡単だ。一番難しい、しかし価値のある生き方とは、世間のど真ん中、つまり水のない「陸」にその意思で沈んで生きることだとある。

世間を捨てきれない以上、陸に沈む為にも、朝がくれば起きなければならない。いま最もコスパの優れた目覚まし時計は、Amazon Echo dotというスマート・スピーカーで、平日も土日も区別せずに、毎朝かなりの早朝2時点にアラームを固定してセットしている。

スマホを寝床に置いていると、ついつい枕元に人類の三大貨幣である言、金、女が染み付いて夢見を悪くするので、寝室にはスマホは持ち込まないことにしている。かといって昭和時代からあるような機械式目覚まし時計は、あまりにもアナログ過ぎてセットし忘れたり、電池が切れたりするので、いまひとつ信用できない。

ものつくりの国などと日本神話の神みたいなキャッチフレーズとともに「もの騙り」が捏造されたのももう20年前のことで、日本の腕時計はAppleウォッチやスイス製にすっかり入れ替わってしまっているけれど、目覚まし時計などという地味な割には朱子学カルト社会のクロノスを告げる基幹製品すら、米国Amazonのほうが便利となると、ものつくりの神など、端からいなかったのではないかと、ようやっと疑い始める。

ものづくりなのかものつくりなのか、正確な名前はよくわからないけれど、俺はいま、ソニーの防水ウォークマンとAppleのAirPodsと深圳のベンチャー企業の格安イヤフォン3つのイヤフォンを使っているのだが、SONYの製品は物理ボタンが異常に細かくたくさんくっついていて、使いこなすのに相当な熟練が必要とされる。耳の穴にフィットさせるパッドも外れやすく、サウナでいざ使おうとするとそのパッドが散逸してなくなっている、なんてことも多い。

AirPodsは部品点数が極めて少ないので、使用やメンテナンスにほとんど熟練や手間を必要としない。

いま家で使っている掃除機や冷蔵庫も、次の買い替え時期が来たら、ものつくりの神を完スルーして海外ブランド製品を選ばざるを得ないだろう。日本の家電製品って、これまでは「品質はいいけど」という接頭辞がついていたけど、もはやその品質もあてにならない。

私はもはや明日すら信ずることは出来ない。強いて信ずるとすれば<明後日>を信ずる他はないのだ。

T.S.Eliot The Waste Land

信ずるに値する明後日の未来とは、団塊世代がこの世界から物理的にいなくなる2040年頃であって随分先のことだし、なんと言っても俺自身が歳を取り過ぎている。