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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

映画『グリーンブック』と「物語の胎児」

【要点】

  • 国外の優れたドラマに慣れてしまうと、日本のドラマを観たいと思わなくなる
  • 物語の骨太なフォーマット「物語の胎児」
  • 差別とは、複雑であいまいなもの

高齢者のネトウヨ化が問題になっていて、例えば久し振りに実家に帰って団塊世代の親と話してみたら、昔はノンポリだったのに定年後やけに右翼化していたり、酷いのになると牽強付会なネトウヨサイトに唆されて、弁護士に大量の懲戒請求を送りつけて、逆に訴えられたりしている情弱中高年もいる。まだ俺が酒を飲んでいた頃、安い居酒屋に行くとかなりの確率で中高年が中国人や朝鮮人への差別感情を剥き出しにしていて、差別意識とは孤独や貧困によって増幅されるのだと確信するようになった。

「愛国主義は無頼漢の最後の避難所である」サミュエル・ジョンソン

最近は地上波のスイッチを殆ど入れなくなってきていて、観るのはアマプラばかりなんだけど、アメリカのTHIS IS USという家族ドラマがよくできていて、本当に感心する。国外の優れたドラマに慣れてしまうと、日本のドラマは見ようと思わなくなる。大河ドラマが低迷しているみたいだけど俺に言わせれば、東京五輪に奮闘する姿自体が朱子学カルトでしかなく、壮大なプロパガンダとしか思えないので1秒も観ない。俺が観た唯一のシーンは、ピエール瀧のシーン差し替えを民放がイラストで再現している裁判報道みたいなもの。

不安神経症のネトウヨ各位には、是非とも映画『グリーンブック』を見て感想を聞かせてほしいものだ。1962年に黒人のピアニストがイタリア系の男と南部の都市を2ヶ月ツアーでまわる話。

【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告 - YouTube

面白くなる物語の定石をきっちり押さえていて引き込まれる。

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1日ごとに差が開く 天才たちのライフハックより

これは「物語サークル」とか「物語の胎児」と言われるストーリーテリングのフォーマットなんだけど、『グリーンブック』は定石にかなり忠実。

①ナイトクラブ勤めのイタリア系の男が

②暴力沙汰でクビになって金が必要になり

③黒人ピアニストの南部ツアーに運転手兼用心棒として同行する

④二人は少しずつ理解しあい

⑤ツアーも終わりに近づくが

⑥差別とは相互的であり無自覚なものだと気づく

⑦ツアーを終えて男の家に戻ると

⑧二人は周りへの優しさを身につけていた

みたいな骨子である。

過去の黒人差別をただ描くことではなく、人間の差別意識というものの無意識性や相対性を描いていて、グッとくる。

実際に米国の貧しいホワイトカラーが逆に被差別意識を増大させていて、いまのトランプ大統領が誕生しているわけで、人間の優越感や劣等感というものの持つ難儀さを余すことなく描いている。

THIS IS US にしてもGREENBOOKにしても、ドラマを観る側のことを不安がらずにちゃんとインテリ扱いしていて、そこが凄いなと思う。

前提としている人間のインテリジェンスを下げてない。それに比べると最近の日本のドラマや映画は、とにかくわかりやすく単純化していくので、話に全く深みがなく、本当に面白くない。企画会議を通るみたいなことばかりが最優先され、結果的に視聴者をバカにするかのような愚かな構成になってしまう。日本はコンテンツもまたとうに敗戦しているのかもしれない。

難しいことをやさしく
やさしいことを深く
深いことを愉快に
愉快なことを真面目に
(井上ひさし)

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