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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

時間価値の変化

2007年に登場したiPhoneによって、人類は細切れの時間を有効に活用することを覚えた。それまでも通勤時間を有効活用しようというライフハックは存在した。しかし、スマートフォン普及以降の時間革命とは、通勤時間よりももっと短く分散していた細切れ短時間の有効活用であった。

例えば信号待ちの時間、電車を待っている時間、ラーメンを注文してから着丼までの時間、トイレ時間、退屈な会議の時間……。

スマートフォンによる時間有効活用の本質とは、短時間で他人の脳みそとネットワークすることである。

今では画像や動画コンテンツに拡大しつつあるが、当初はTwitterやFacebookなどテキストによる人間の脳みその接続が爆発的に拡大した。テキストの情報圧縮能力は極めて高い。InstagramやTik Tokはその細切れ時間をさらにリッチにするメディアとして急速に成長している。TikTokが中国発動画SNSだと知って使っている人はどれくらいいるのだろうか。

こうして細切れ時間が価値化され消費される時代になると、例えばアルコールを飲むことは冗長に感じる。SNSを使えば瞬時に繋がることが出来るのに、わざわざ同じ時間に同じ場所に集まって冗談を言い合いながら脳と脳が接続されるプロセスが非常にかったるく感じられるようになってきている。ゴルフもおんなじで、膨大な塊時間が超絶ムダに思える。

時間価値の視点から考えれば、アルコールの競合はスマートフォンである。iPhoneこそがアルコール衰退の本質ではないだろうか。ひとたび酒を飲むと3時間以上無駄になる訳で、もはやYouTubeやTik Tokの濃い時間感覚を生きているデジタル・ネイティブにとっては、飲み会みたいな薄い時間は超絶だるいのではないか。麻薬で集団トリップする時間感覚こそが古臭くなっている。

まあ、これはアルコールに限ったことではなく、例えばクルマの運転も似たもので、非常にかったるいプロセスであり、運転している間は、運転に集中せざるを得ないので、細切れ時間の活用に慣れきった世代の感覚からするとかなり大きな固まり時間をごっそり奪われる感覚が伴う。クルマの競合も結局の所、スマートフォンやSNSである。

アルコールを飲むためにアポイントメントを取るのもだるいし、飲み会の会場まで移動する時間もかかる。アルコールを飲みながら雰囲気が盛り上がるまで時間がかかるし、アルコールが入ってしまうと急には覚めない。アルコールによって理性のタガが外れ、その場はなんとなく楽しかった盛り上がったと考えられるけれど、振り返ってみると単なる幻ではだったのではないかという思いが込み上げてくる。昨日の飲み会ではとても仲良く話した相手とまたよそよそしい関係が続くことはよくあることで、ホモ・サピエンスはそんな簡単に見知らぬ誰かと打ち解けたりはしない。アルコールが体内から完全に抜け出すための不快な時間も、無駄な時間損失であると考えられつつある。

アルコールは麻薬の快楽に比べて、失う時間の塊が大き過ぎるのだ。