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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

平成──逆行の30年

11月になると未だにボージョレ・ヌーボーの胡散臭いプロパガンダが出てくるけど、これが日本に定着したのはバブル時代だと思う。毎年毎年「今年のボージョレ・ヌーボーは最高!」と言っている気がするが、俺からすれば酒は並べて毒物、薬物であって、例外なく出来ばえ最低のシロモノなのである。

そんなボージョレ・ヌーボーがすっかり定着したのは日本が豊かになったから?──いやいや、本当の理由は全然違う。

フランスは1991年にいわゆる「エヴァン法」という、当時の先進国で最も厳しいアルコール規制法を施行したために、フランス国内需要が減少したので、自国以外にワインを売ることに力を入れた。これが歴史的事実である。出来たばかりのワインをその味もわからず喜んで飲む愚かなターゲットとして、人口規模も大きく中間層が豊かさを実感しつつあった日本に目をつけた。

「時差の関係で世界で一番早くボージョレ・ヌーボーを飲めるのは日本!」なぞと言われて、みな有難がって喜んで飲んでいた。90年代初頭の当時は、まだバブルが拡大していると信じ込んでいたので、若者を中心にボージョレ・ヌーボーなるプロパガンダを、スポンジのように受け容れたのである。いま思えば底なしの間抜け、愚か者である。

俺が注目するのは、フランスがアルコール規制に乗り出したのは30年近く前なのだということ。フランスのエヴァン法は、自動販売機によるアルコール販売や、競技場や運動施設等でのアルコール飲料の販売を禁止、さらに別法でアルコール飲み放題の営業方法を禁止、ガソリンスタンドでのアルコール 飲料のテイクアウト販売の夜間禁止、ガソリンスタンドでの冷やしたアルコール飲料のテイクアウトは終日禁止、更にエヴァン法は、テレビ・映画や、青少年向けの出版物でのアルコール広告を禁止、飲酒をしている人物を映すことは禁止、アルコールの乱用が健康に有害であることを明確に示すメッセー ジを入れることを義務付けている。

フランス人は自国民をアルコールから守る一方で、日本人にはじゃんじゃんワインを飲ませようとしてきたのだが、日本人はこのことに全く無自覚である。

日本のコンビニは2018年のいまもアルコール麻薬の水道アウトレットであり、スナック菓子や揚げ物や惣菜とワンストップで好きなだけいつでもどこでも酒を買い求めることが出来る。サーバーの生ビールまで売ろうとする動きもある。

忘年会幹事は飲み放題コースにしないと上司から怒られ、ちょい飲みやせんべろと称してあらゆるレストランが酒場化している。

広告規制は殆ど機能しておらず、ギャラに目の眩んだタレントが酒を鯨飲して「うまい!」を絶叫している。アルコールは社会の潤滑油、クオリティ・オブ・ライフを高めるポジティブな飲料だと未だに刷り込まれ、プレミアム・フライデーでは政財官挙げて社会集団における同期的麻薬投薬が奨励される。

日仏この30年の時差──アルコールについて日本は、世界の常識に逆行する愚か者である。アルコール問題に限らず、良心に基づく合理的な思考はことごとく蔑ろにされ、退けられ、徴税や金儲けやつまらない立身出世競争だけが打ち勝っている。このまんまいくと団塊老人がかなりの規模でアルコール麻薬漬けになるが知ったことではない。