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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

リーマン・ショックから10年

AmazonプライムでいまなぜかNHKの「プロフェッショナル〜私の流儀」とか「プロジェクトX〜挑戦者たち」といった昔の動画が見られるのだけど、2000年代のNHK番組には「ものづくり礼賛」や「サラリーマン賛歌」が根強く残っていて、いま観ると笑止千万、隔世の感がある。「無名の挑戦者たち」や「著名な職人たち」が寡黙な美学を胸に何かを成し遂げるプロパガンダへの揺るぎない作為を感じる。

2000年代とは平成10年代と重なるわけで、今思えばあの10年とは、偽りの回復だったのではないか。円安による製造業の復調で、なんとなく「失われた10年」が終わるかのような気持ちになっていた。日本車は米国でバカ売れして、家電メーカーも薄型テレビを主力商品と位置づけて、過大な設備投資に邁進した。

自動車もテレビも冷戦期と大して変わらない商品だった。米国が製造業から金融やITへと主力産業を大きくシフトさせるなかで、日本の産業構造はベンチャーの芽を摘んで、殆ど変わらなかった。中国の工業化を甘く見て、冷戦期の垂直統合型のものづくりを日本固有の強みと信じ切って、マーケティングの希薄な高機能化、高級化路線を突き進んだ。「プロフェッショナル〜私の流儀」とか「プロジェクトX〜挑戦者たち」は、不安に惑う日本人を無闇矢鱈と肯定するための過去の成功譚であった。

日本が変革を怠り過去を美化しているうちに、米国のAppleなどは、自社工場を持たないファブレスのものづくりを進めて、中国の工業化をうまく利用する水平分業型の製造業モデルを確立したのが2000年代のことである。

2008年のリーマンショックは、米国の住宅ローンバブル崩壊だと思われているけれど、実は、日本の製造業モデルが完全に終わったという意味で日本にとって画期的だったのである。特に家電業界は大打撃を受けて、シャープなぞはAppleのファブレスモデルで成長した鴻海に買収されてしまったし、最近ではスマホ搭載のカメラによって光学精密機器がかなりやばい状態になっている。2008年9月の暴落で一気にやばくなった日本の製造業は期間工を大量解雇して、年越し派遣村が出現したのがその年の12月だった。10年前の今頃はとてつもない経済不安の中にいた。日本の中間層が大打撃を受けて大きく衰退したのは、リーマン・ショックからである。製造業が中間層を雇いきれなくなった。そして東日本大地震と原発事故がダメ押しとなった。

2008年に発売されたiPhoneが人々の情報世界を変えてしまい、「プロフェッショナル〜私の流儀」や「プロジェクトX〜挑戦者たち」といったマス向けのプロパガンダは殆ど効かなくなった。GAFAが日本を完全支配して政財官全てにおいて、米国への全面従属が深まっている。日銀が株を爆買いするアベノミクスも行き詰まり、世界経済は後退局面に入ろうとしているとの見方が強まる。リーマン・ショックからの10年もまた、日本は変わることが丸でできなかった。

渋谷で酔った和製レッドネックが暴れまくり、移民が事実上解禁になるけど、リーマン・ショック並みに景気が悪くなったら彼らは一体どうなってしまうのか、考えただけで恐ろしい。