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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

ブラックアウトとホワイトアウト

台風とか地震で大規模な停電、ブラックアウトが起きる。この前も台風による塩害とやらで京成線が全線ほぼ丸一日不通になった。最近は複数の鉄道会社が相互乗り入れしているから、一つの路線がお釈迦になると影響はやたら大きくなる。

インフラの設計にはフェイルセーフという思想があり、ひとつのシステムがダメになっても独立した別のシステムが支えるようにできている。例えば航空機には制御の系統が複数あって、すぐには操縦不能にならない。

しかし北電も京成線も、フェイルセーフが起動せず、完全にブラックアウトした。泊原発も電源に複数の自立した供給システムがなくて、北電がブラックアウトするともういきなりディーゼル発電しか頼るすべがなくなった。福一の事故はディーゼルが津波で水没したから起きた。311の教訓は生かせず、原発にフェイルセーフがまだ導入されていないことがバレた。

簡単にブラックアウトしてしまう背景には、リスクを過少に見積もる日本の普遍的な軍国思想がある。

日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 (中公新書)

310万人に及ぶ犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高率の餓死、30万人を超えた海没死、戦場での自殺・「処置」、特攻、劣悪化していく補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏……。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験をせざるを得なかった現実を描く。

日本兵は戦闘で死ぬ前に、リスクを過少に見積もる上層部によって、餓死したり、撃沈されて海の藻屑と消えた。犬死である。フェイルセーフの思想が丸でないから、想定外を想定することを組織が禁じて、番狂わせがひとつ起こると壊滅的打撃を受ける。組織内部でリスクを問題視すればすぐに裏切者とされ、排除されてしまう。戦中も現在も、ブラックアウトする背景にある構造は同じである。もちろん敗戦後最大のブラックアウトは、2011年福一のメルトダウンである。

日本という軍国システムは、あらゆるレベルにおいてフラクタルにブラックアウトが内在されている。自爆装置みたいなものである。大手都銀システムが震災後に長い間使用不能になったのも、大きな証券会社が自主廃業に追い込まれるのも、自動車会社が何遍も不正検査を繰り返すのも同根の問題なのだ。

そして一度ブラックアウトすると、軍国組織は過剰な防衛本能が起動して、一気にホワイトアウトする。ホワイトアウトとは、吹雪の雪山で視界が真っ白になり方角を見失ったり、雲海に突っ込んだ戦闘機が天地を見失ってしまう現象である。ブラックアウトでパニックになった軍国システムは必ず、ホワイトアウト化する。

敗戦後のGHQへの追従は典型的なホワイトアウトであるし、今の自民党政権もまた、2011年の原発事故というブラックアウト後のホワイトアウトである。ブラックアウトとホワイトアウトは常に一対になって出現すると考えておくべきである。

ホワイトアウトに乗じて改革を後押ししようとする勢力も、一皮剥けば単なる守旧派である。ブラックアウトの混乱に乗じた内乱、主導権の奪回でしかない。日本という金太郎飴みたいな軍国政官財学でいま起きているブラックアウト、ホワイトアウトは結局のところ行って来いの表裏一体現象、往復運動に過ぎない。このことを洞察して軍国政官財学システムを間遠にしなければならない。