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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

人間はビースト、餓鬼畜生

この前の「ザ・ノンフィクション」でクルージングのお見合いパーティに参加する男女を追いかけたドキュメンタリーを観た。

横浜から青森を往復する客船の旅に参加する女性は面接を通過すれば無料で参加できる。女性達の旅費は全て参加する男性が支払う寸法で、一番安い男性どうしの相部屋プランでも18万円!もする。

まあ確かに、面接で選ばれた女性はきっとステキな面々なのだろう。そこが保たれてないと男性が参加しなくなるから。

同時にいわゆる「サクラ」であれば女性がどんなに容姿端麗でもダメで、そこのところが一番難しそう。つまり見た目が魅力的でなおかつ、結婚を前提とした交際もリアルにOKという女性をいかに多く集めるかがこの企画のポイント。

船の上ではパーティやゲーム大会など様々なイベントが毎日企画されて、男女のコミュニケーションを促す。酒代は旅費に含まれておらず、ディナーの乾杯は男がシャンパンを奢ったりする。こんな非日常空間で浮かれてお互いに「上げ底」の出会いをしてしまうと、あとが辛いなあと思う。わざわざ大金を支払って、獣のような人間が出会う仕組み。

当然のことながら、夫婦の人生は、豪華船の上ではない。出会う場が客船という、本質的にお金を毎秒毎秒たくさん使う場所であると、人生は消費だと捉えてしまいがちだ。交際→結婚→マイカー→出産→持家……。昭和時代の線形消費人生を前提にしてしまうと、あとあとかなり苦労する。軍国人生を経済に置き換えただけの洗脳人生。

幸福が消費と直結している軍国人生、高級奴隷の生き方を選ぶ、それはつまりビースト、餓鬼畜生の道である。船を降りて娑婆に戻れば、消費で結ばれた人間どもは早晩、互いの獣性、餓鬼畜生性に直面することとなる。自分が幸せになることや、相手を幸せにすることが軍国人生の消費と結びついていると、余程の資産がない限り早晩枯渇する。竹槍を札束に持ち替えただけの人生だ。

結婚相手を市場から調達しようとすると、この種の人間の獣性問題に突き当たるから、一緒に生きていく相手は市場で選ばない方が良い。市場調達すべきは、めんどくさいことを金で解決したい人間である。

消費と無関係な時間を過ごすことのできる力が人生には重要で、極論、結婚相手は年収が300万円でもお互いに楽しくやっていけそうな人を選んだ方がいいのではないか。消費ではなく生産によって幸せを感じられる人どうしの方が、毎日を楽しく過ごせる。獣と人間の違いは生産能力である。

夫婦でやたら飲み歩くとか、記念日にべらぼうに高いホテルに泊まるとか、土日しか乗らないクルマを輸入車にするとか、ブランドものじゃないと恥ずかしいとか、消費マックスの軍国結婚生活を続けられる人間はほんの一握りで、消費マックスの人間は、つまり本性がビースト、餓鬼畜生なのである。

消費マックスの人生の為に他人を蹴落として生きていくには、本性が獣でなければならない。獣と獣が船上で運命の出会いをしたのではなく、出会うべくして出会ったのではないかと思う。そのことに気づくのに18万円というコストは安いのか高いのか、よくわからない。

どこかに、あたしの身もココロも気持ちよくしてくれるバター犬みたいな舌の回転が速い頭の回転は鈍いお人好しで莫迦っぽい人間だとか、死ぬまでうっとり夢みるように暮らせる居心地のよい場所とかは、ないものかしら。あれはどう?これはあたしにふさわしい?(大道珠貴「きれいごと」)