民法改正で「成人」が18歳に引き下げられるらしい。しかしアルコールやタバコは、変わらずに20歳までダメとのこと。
これはつまり、大人の最初の2年間はアルコール禁止! ということで、アルコールとタバコにゆるゆる国家日本では奇跡的なことだと思う。
このノンアルの2年間は、若者のアルコールへのエントリの防御壁になるかもしれない。なぜなら、最近のポリティカル・コレクトネスの圧力が、追い風になるからだ。
例えば、成人の日に酒が飲めなくなる。居酒屋やレストランなどの飲ませた側は、このダダ漏れ社会で糾弾されるのを極端に恐れるようになっている。大学なども、既に20歳未満の飲酒を厳格に禁じており、この流れは不可逆的かつ検証可能なものだ。
成人の日に新聞に載っていた酒礼賛のメッセージも、新成人の飲酒は非合法なので、載せられなくなる。
なんといっても「大人なのにアルコールを飲んではいけない」状態が、制度的に作られる。この間にアルコールの本質(大麻より身体依存の強い麻薬であること)を理解することができれば、多くの若い命の、その後が大きく変わる可能性がある。
私自身の過去を振り返れば、社会人になったらアルコールを飲んで当たり前というガチガチの固定観念に支配されていた。アルコールはコミュニケーションの為に必須で、楽しい飲み物だと信じ込んでいた。その思い込みで、膨大な時間と金を失った。
18歳から19歳までの200万人くらいの「新しい大人」が、アルコールの害悪を素面の意識で考える猶予時間を持つことができる。
最近の若い人は、アルコールをポジティブに考えていない傾向が強いようだから、これは酒を客観視するビッグチャンスだ。