先月末に続き、今日はまたもやファスティング(断食)。
己っちのような飽食人間にはファスティングは指圧やサウナに近く、身体が飢餓に驚くリアクションで頭が冴える。
この冴えが気持ちいい。空腹もさほど辛くはない。
こうして時々何も食べない日を作るだけでも、生活に心地よい波が起こる。ニコチンやアルコールをやめた時は、戻りたい衝動を強く感じたが、断食には嫌な喪失感がない。むしろ幸福を感じる。
「この世は辛い、苦しい」と教えられ、だから憂さ晴らしに飲め、食えというのが、この国の胃袋マーケティングである。
あるいは「おふくろの味」とか「おもてなし」と言った過度に手間暇をかけることを持ち上げて半ば強いる生真面目ファシズムも蔓延っている。
この世は別に辛くもなければ苦しくもないし、誰かの便益を過剰に思いつめて身を尽くすことも、美学ではなく単なる朱子学カルト思想である。
30時間くらい固形物を丸で食べないと口から穴までの管がリセットされる。コンビニが無駄な努力を重ねて売り捌くファシズム加工食品や、塩と獣脂がモリモリの外食なんて、本当は丸で必要ないことに気づく。
ファスティング明けの粥は滋味溢れる。畑で収穫したトマトの美味しさも胃に染み渡る。
こうして時々ファスティングすることで動物としての野生に戻り、要らないものに気づき、虚心坦懐な心持ちになる。
ファスティングはおすすめである。今夜はこの前ザ・ノンフィクションで小林銅蟲氏が言っていた「お腹が空いたら味ぽんを飲む」を試す。
早めにトンズラして、サウナにでも行こう。