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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

アルコール戦争

酒を愛する人、酒の強い人が社会的に尊敬されてしまう頭のおかしな国、ニッポン。安上がりなフードポルノ番組では、小汚い酒場が人情味溢れるあたたかい場所と捏造され、「朝から飲める」だの「千円でベロベロになれる」だの「放浪のダンディズム」だの、アルコールを美化するプロパガンダ炸裂、酒のコマーシャル・メッセージもこれでもかッとお茶の間、電車の中、インターネットなど至る所にスパムの如く打ち込まれる。社会人を常態として萎縮させ続ける統治の技法の核には、アルコールという合法薬物が強い存在感を持っている。アルコールが愚民支配の手段として容赦なく見境なく投入されている。

1960年代に、読売新聞がモータリゼーションの進行とともに増大する交通事故を問題視して、「交通戦争」なる造語をつくり、大きく社会に問うた報道キャンペーンがあった。これに倣うなら、「アルコール戦争」もまた深刻な社会的大問題として問われなければならない。

飲酒が原因、年間300万人死亡 飲酒量の伸びアジアで顕著 WHO(AFP=時事) - Yahoo!ニュース

最新の統計によると、2016年に世界で死亡した人のうち約300万人が飲酒関連の死因で亡くなっていた。この年の世界の全死亡者に占める死因別の割合は飲酒関連が約5.3%、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)およびエイズが1.8%、交通事故が2.5%、暴力が0.8%だった。

人類の敵は、もはや戦争や交通事故よりも、アルコールである。国どうしの戦争は、武器の進化によって破壊力が強くなりすぎて強い抑止が働いているし、交通事故削減もGoogleをはじめとする世界的企業が激減に向けてしのぎを削っている。それに比べて、アルコール克服への取り組みには地域的な格差が大きい。上の記事にもあるけど、欧州が酒浸りから抜けつつあるのに対してアジア地域のアルコール被害は増大している。アジアのなかでも日本は、戦中のヒロポン並みに酒がシステムの根幹麻薬となっている。

アルコールは戦争よりもたくさんの人を殺しているし、戦争に負けないくらい、人々を不幸に叩き落としている。この現状を正確に認識しなければならない時期に来ている。

私はかなり楽観的で、あと数十年したら、アルコールは現代における覚せい剤くらい禁忌の麻薬扱いになっていると思う。最近ありとあらゆる酒害が科学的に明らかになり、酒を愛することや、酒に強いことが丸で尊敬されない社会に少しずつ近づいている。いかに酒造が政官財学マスコミにとっての貴重な財源であったとしても、毒が毒とバレてしまえば、それでもなお毒を食らう者は限られる。

例えば、最近の子どもは虫歯を克服しつつある。歯学が発達して正しい知識が浸透したのである。これと同じで、子どもや若者から先に、アルコールは毛嫌いされるだろう。子どもには飲ませまいとする親の愛も推進力になる。

アルコールを嫌う若者から、日本社会は変わり始める。酒を飲まない人間にとって社会人のアルコール儀礼は、社会人を常態として萎縮させ続ける統治の技法として蛇蝎の如く嫌われ始めている。社会を変えるのはいつだって若者、余所者、馬鹿者である。そして何よりも、戦争や交通戦争と違って、アルコール戦争は自分の力だけで一方的に停戦することができるところが、いい。アルコール克服は、個人の課題になり得る。