kindle, 手ぶら, iPhone, 禁酒,ウォーキング,禁煙,断酒,ダイエット

徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

アルコール以降

私の場合、酔って酷い事件や事故を起こしてしまったという明らかな「底つき」体験はなかった。酒をやめようと誓ったのは、重い二日酔いの翌朝のことだった。私の「ポスト・アルコール」(アルコール以降)は、そこから始まった。

アルコール以降に何が一番変わったか? と言えばなんといっても他者を観る眼が変わった。180度変わってしまった。アルコールの人生においては好意的に感じていた人間に対して、異なる解釈をするようになったのだ。

あちらは特に何も変わっていない。変わったのはこちらだけ。表面上はさほど変わらないのに中身は全然別人になってしまった。周りはそのことがわかっていない。でも明らかに別人としか言いようのないキャラクターになっている。

お酒が大好きな人の良くないところばかり見えてしまう。おおらかさは「ゆるさ」や「あまさ」に見えちゃうし、楽しさは「バカさ」や「操られ人形」に解釈してしまう。

アルコールを飲むことが人生のセンターにある人は、飲まない人と比べて思考時間も短いし、なんといっても酒を飲むために仕事を横着することを覚えていたりするので、かなりたちが悪い。表面では「元気で明るく」「ノリノリで」「謙虚にキッチリ」やっているように見えるけれど、肝心なところが抜けていたり、やっつけ仕事だったり、単に言われた通りにやるだけだったりして、なんとも口だけ、言葉だけなことが多いのである。

酒を飲んで、仕事の愚痴や誰かの悪口を言うサークルから離れると、愚痴や罵詈から自由になって、それだけで煩悩から解放される気がする。アルコールが生活の真ん中にあった時代にもう戻れない。アルコール以降とは、人間関係もまたゼロから作りなおす生き直しの機会でもあるのだ。