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徒手空拳日記

人の行く裏に道あり花の山

人は失ったもので形成される

NHKドキュメンタリー - サージェント・ペパー~ビートルズの音楽革命~

正月に勝手に録れていたこのBSドキュメンタリーに見入った。 ポイントは3つ。

爆速のトランスフォーメーション

1962年の”Love me do”でのメジャーデビューからサージェントまで、僅か5年。物凄いスピードでバンドの性質が変わってる。

そもそもビートルズとしての実質的な活動期間ってデビューアルバムからアビーロードまで僅かに7、8年しかない訳で、伝説の形成と時間の長さとは丸で関係ないのだという真理に思い至る。「伝説をその時間の長さに求める」のは誤り。

「英国病」の先へ

工業化社会がいち早く終焉した英国は、社会的な構造転換が出来ずに苦しんでいたのだけど、日本の現代ってかなり当時の英国病と似ている。英国ではビートルズの解散の後にあのサッチャーが保守党党首になり、やがてサッチャリズムへととつながっていく。

”She’s leaving home”の世界観なぞ、まさに今日で言う「格差社会」に生きる貧しい少女の家出という時事ネタである。

サージェントは世界初のコンセプト・アルバムと言われるけど、では何のコンセプトだったのか? と言えば、「衰退」「終焉」「後悔」なだというかなりどんよりとしたコンセプトな訳で、半世紀遅れで「日本国病」のさなかにある今の日本と妙にコンセプトがシンクロする。

アートは「英国病」の先を見据えていた。 芸術は、私たちの日常生活の余波や余技として、限られた者によって副産物的に生み出されるものなどでは決してない。まず芸術が生み出され、それが設計図のような役割を果たし、私たちの日常生活を作り出す。アートという深層の上に、我々の表層はあるのだ。

ライブ活動をやめてこそたどり着いた境地

スタジアムのマスコンサートに嫌気がさしてスタジオに籠った結果として、彼らは結果的に大きな飛躍を遂げた。スタジアムのライブ活動を続けていたら彼らは伝説にはならなかったかも知れない。

己っちは、この箴言を思い出す。生きることは失うことなのである。

人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。失うことでなりたかった自分になれるのではなく、本当の自分になれるのだ。

アレハンドロ=ゴンザレス・イニャリトゥ監督