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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

かすかなシグナル

絶対権力者にとっては数千年前からとっくに自動運転機能もナビゲーションシステムも実現していた訳で、この百年ほどのモータリゼーションとは、王様と一般大衆の数千年の時差が埋まる過程に過ぎない。

この「テクノロジー時差」、どんどん短縮しつつある。

例えば、富裕層が移動電話を使ってからごく普通の大衆がモバイル通信を手に入れるまではほんの数十年の時差しかない。

ファッションにいたっては、ファスト・ファッションによって、富裕層の流行が同じシーズンに安価で供給される。

iPhone Xやテスラのモデル3などは富裕層も一般層も時差なしで同時に、同じプロダクトを手に入れることができる。

ネスレやP&Gなどのグローバルなパッケージグッズ企業がいま恐れているのは「ブランド・ロイヤルティの消滅」である。少し前の日経ビジネスにこんな記事があった。

今後二年で最も破壊的な消費傾向は、ブランド・ロイヤルティが下がること

とあった。これはつまりメジャーで歴史と安心感のあるブランドよりも、マイナーだけど新しく、自分の課題を解決してくれるブランドの方がボロ勝ちする傾向が強まっている、ということ。

この傾向も、実はこの数十年の間に、富裕層ではもう当たり前の現象である。いかにも金持ち向けのラグジュアリーブランドには本当の金持ちはとっくに見向きもしていない。

わかる人にだけわかる、新しいけれど素晴らしいブランドを、いち早くさりげなく選び取る審美眼を「かすかなシグナル」として確かめ合う消費傾向が金持ちには生まれており、この「かすかなシグナル」もほとんど時差なく大衆が模倣しつつあるのだ。

パッケージグッズに留まらず、この傾向は掃除機ならダイソンとか、家具ならIKEAとか、クルマならテスラのモデル3みたいに、耐久財までも広がりつつある傾向である。

SNSが時差そのものを無効にしつつある。

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