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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

サイロ・エフェクト考

人間は元々、話し言葉だけで重要情報をやり取りしていた。原始は、口頭による小規模(上限150人くらい)な分散型ネットワークに限られていた。どこが危険な場所かとか、水や食糧のありか、狩のやり方など、重要な情報は全て、自然の分散型ネットワークを介していた。

人類はやがて農耕と定住を始めて、集団の人数が大きくなり、自然ネットワークだけでは統治しきれなくなった。

そこで発明されたのがヒエラルキーである。原始ネットワークが、証拠の残らない口頭の情報だったのに対して、ヒエラルキーは、文字というログを取り扱うようになった。

ログが残るということは、他人から言質を取ることができるということで、契約や法というシステムが生まれた。

書き言葉に基づくヒエラルキーによって人間は大規模な集団を、人間の寿命を超えて長く維持・統治できるようになったのだ。

さて本題だが、「もりかけ問題」とは、日本政治におけるヒエラルキーの終わりなのである。サイロ・エフェクトとは、要するに原始的ネットワークへの退化なのだ。

政治屋や官僚が、口伝ての原始的やり取りだけでなんとかなるサイロのなかで、国民国家の資産分配を恣意的に執り行い、文書、議事録や日誌といった書き言葉について「そもそも記録していない」とか「文書を散逸した」とか「個人情報なので開示できない」とか「怪文書だ」と言い、ヒエラルキーの根幹を行政や立法が挙って否定している。

日本は政治中枢において、ヒエラルキーという人類の叡智がもうまるで機能しておらず、原始への退行が進んでいる。

しかし彼らの原始共同体の外には、ログがデジタルに完全にかつ半永久的に保存され、世界規模の分散型ネットワークを秒速で駆け巡るという、人類にとってはじめての恐るべき生態系が整いつつある。

これは、ヒエラルキーのログ主義と分散型ネットワークの拡散力を併せ持つ、まさに未知の世界なのである。

政権中枢にしろ大企業の経営幹部にしろ、サイロ・エフェクトがバリバリの日本はこのハイブリッドな生態系にまったく勝ち目がない。

早晩立ち行かなくなるだろう。

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