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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

グレイビーな時間

小説家レイモンド・カーヴァーは、死ぬまでジャンキーだったけれど、晩年にアルコール依存症は克服した。

彼は酒を飲まなくなってからの人生時間を、gravyと表現したのだった。

ステーキなどの料理で「グレイビーソース」などとある、あのグレイビー、Wikiによれば、「調理された食肉から出る肉汁を元に作られるソース」とある。

gravyには、ここから派生した俗語的な意味で、「ボロい儲け」「思いがけない収入」「うまい汁」と言ったニュアンスもある。

カーヴァーがアルコール依存症を克服してからの時間をgravyと呼んだのは、おそらくこの感じからだと思う。

アルコールを完全にやめることの出来た人なら、わかるだろう。

「ボロ儲け」な感じ。酒を飲まないことが継続すると、有意義な時間がそれこそexponential (指数関数的に)に、毎日の生活にフィードバックされ始める。

いま思えば、酒を飲んでいた頃の心身は「半殺し」いや、8割は殺されていたことがよくわかる。

アルコールとは「悪循環のスターター」なのである。時間を蝕み、身体疲労を積み上げ、眠りを常に浅くし、四六時中、しんどい状態になる。

酒に酔って会社組織と心身が不可分になり、非効率業務の泥沼にはまる。個人を押し殺すからストレスが溜まり、飲んで帰宅が遅くなるし金もたくさん使うから、家族とも不仲になる。

こういった悪循環を解決する唯一の手段は、酒を飲まないことだ。

そうしてもたらされるポジティブなフィードバックはまさに、gravyのひとことなのである。

Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)