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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

マズローの欲求段階説

人類最古の麻薬はアヘンかアルコールかのどちらかだといわれる。アヘンの方がアルコールよりは作りやすいけど、アヘンはケシがないと作れない。アルコールは、糖質があればどこでもできる。

さて最古の麻薬はどちらか?

……ということは、当たり前だが、アルコールもアヘンも麻薬なのである。

ではどちらが有害か?これはアルコールだろう。理由は、薬害者数が半端ないのと、その破壊力だ。

今日はアルコールの破壊力のすごさについて改めて触れたい。

マズローの欲求段階説という有名な考え方がある。

自己実現理論 - Wikipedia

人間の欲求はこの三角形の下から上へと高まっていくが、逆にアルコールの害悪は上から下へと降りながら、深刻になる。

アルコールが麻薬としておとろしいのは、人間の持つ全ての欲求段階に、深刻なダメージを与えるからである。

アルコールは麻薬の素顔を巧妙に隠しながら、社会的に成功した分別のある人間の人間性をも破壊しうる。

アルコールが最初の段階で破壊するのは「自己実現欲求」。酒を飲んでしまえば、「ま、酔って楽しいから、なりたい自分にならなくてもいいや」と思うようになる。社会的な半殺し。

上にいる強い者から言われたことを「早く」「ちゃんと」できる「よい社会人」でありさえすればよいのだ、と自慰することになる。

酒場放浪や仲間との家飲みが、さも幸せなイベントであるかを力説するようになると、もはやその人は、酒のために生きている。それ、生き方ではなく死に方ですよ。

次の段階でアルコールが打ち砕くのは、「自尊」である。

「もうやめよう」と思いながら、飲みたくないお酒をつい飲んでしまうだけで、自尊心は傷つくのである。

お酒が好きなだけなら周囲はなんとも思わないが、酒が理由で遅刻したり、仕事でミスをし始めると、他人からの尊敬もやがて得られなくなる。

酔って醜態を晒したり大切な人の心身を傷付けて蔑まれるようになると、次の段階で破壊されるのは人間の社会的欲求である。

家族や社会から嫌悪され、排除されてしまう。

更に進めば、アルコールは人間の安全さえ脅かす。酔っての鉄道事故、飲酒運転、失火、傷害事件、内臓疾患など、気がついたらあの世行き、ということも十分にあり得るのだ。

最後に行き着くのは、生存の破壊である。物理的に食べられなくなったり、眠れなくなったらかなりやばい。

アルコールの難儀なところは、アルコールによって「自己実現」や「自尊心」、「社会的承認」があたかも強化される錯覚、幻想がついてまわるところである。実際、酒の広告は、この錯覚や、幻想を利用したものばかり。

しかしながらアルコールによって得られる「全能感」や「自己肯定感」「自信」「やる気、元気」は、薬物による実体のないまぼろしなのである。

故に、アルコールは、世界にあるドラッグのなかでも最も破壊的な麻薬なのである。