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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

粘度(スティッキネス)

一気に春を越えて初夏の陽気となり、季節は次へと動いていく。唐突かつ極端な先取りは異例として片付けられ、受け容れられないことが多いが、先取りとは得てして本質的な変革である。

例えば藝術は、私たちの日常生活の余波や余技として、限られた者によって副産物的に、道楽で生み出される異質なものなどでは決してない。藝術は意表を突く異端として生み出されるが、実はそれがその先の人類の設計図のような役割を果たし、我々の次の常識の下地となる。藝術という深層の上に、我々の生活という表層はあるのだ。

人生を変えたいのなら、大胆で極端な先取りをした方がいい。しかも意識の変化などではなく、そんなことよくできたね! と驚かれるような身体的大変革が効果的である。

酒が生きる楽しみの人間なら、酒を完全にやめたら人生は確かに大きく変わる。

酒なしの人生という抉られた深層の上にまったくの新しい生き方が、積み上がるだろう。

アルコールを止めることによるメリットのひとつは、生きる粘り強さが高まることだ。粘度、スティッキネス、胆力、ネバーギブアップ精神、逞しさ……類語を並べるとキリがないが、要するに生きること、考えること、思うことが、いい意味でねちっこくなる。

アルコールに毒されていた頃なら、当人がどんなに否定しても、何よりもまず「酒を飲むこと」が優先されていたから、生きることも、考えることも、思うことも全て、アルコールによる脳内麻薬をキメるという目的のための手段と化してしまっていた。仕事も友情もグルメもスポーツも、ドラッグをキメる為の手段になってしまっていたはず。

アルコールを身体から完全に抜くことによって改めて「生きること」が手段ではなく目的に変わる。

生きる粘り強さがグーンと高まり、すべてを変えてしまう。

しかもその変化は自分だけのもの、周りの人は殆どが相変わらずの酒漬けだから、密かに人生大逆転の可能性すら出て来るのだ。だから人生は面白い。