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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

負のファントム

アトムで出来ているものは早晩、原価まで下がる。

物質で出来た製品は、世界の叡智を結集して、他よりも1円でも安くしようとするから、人件費の安いところに工場は移転してしまうし、そもそも人件費のかからないロボットやAIにとことん切り替わる。

日本の製造業はかなりの速度でこれから空洞化するのではないか。例えば日本最大の工業である自動車産業は、既に日本で作っていても日本で全てを売るわけではなく、海外に完成車を輸出するとか、日本製部品を海外工場で使うなどしているから、日本の自動車会社がいまよりも世界で競争力を高める為には、日本にある工場を縮小せざるを得ないだろう。内燃機関の自動車よりも簡単に作れる電気自動車に切り替わる勢いもコストや効率のメカニズムで、加速するだろう。

アトムは原価まで下がり、情報は無料になるとしたら、会社の従業員はあんまり要らない。頭数をどんどん減らしていって分散型ネットワークの水平分業でやらないと、グローバル競争に勝てない。

このゲームで富めるものは、徹底的な効率化を思いついて最初に成功した一握りの経営者だけで、それ以外はロボットやAIより安いかどうかで、安ければ使われるだけとなる。現に米国では、終身刑で服役している受刑者こそが、世界中のどこの人間よりも低賃金で使えるリソースであるとして、経営者たちに注目されている。

かつての日本の何千人もの人員を、定年まで雇う大企業なんてもはや冗談のような夢物語であって、もはやそんな会社は冷戦期に勝ちまくった一部の企業にかすかに残るだけとなっているし、早晩ゼロになる。

そもそも大規模な人員を抱えるヒエラルキー組織なんて、実業には丸で要らないのだ。戦後の農業に起きたこととほぼ同じことが、これから大企業にも起こるだろう。

社訓や社歌を共有して、朝から晩まで家族よりも長く精勤時間を共有して相互監視し、同じ釜の飯を食い、酒を酌み交わす組織が、単なる負のファントムとして露呈しつつある。