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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

棄てることばかり考えている

この世界で最も好きな言葉は、「不要」だ。要らないものごとを見つけると、己っちは逆に重要な存在に思えてくるから不思議だ。本当は、己っちそのものが不要な存在であるのに。

紐の靴はもう買わない。昨日仕事を終えて陋屋へと戻り、靴を脱ごうとすればするほど紐が絡まり、玄関で永らく立ち往生した。

靴に紐なぞなくていいのではないか。結んでは解き、解いてはまた結ぶ。人生、靴紐に費やす時間はのべどれくらいになるのだろう。力を込めて解こうとしてかえって固く結ばれてしまう。紐の靴を履いて、毎日しょうもない仕事をしている己っちを呪う。

こうやって、クソ・サラリーマンとして働くことを渋々受け入れていると、自由な服装とは丸で反対の方向へ向かって行く。でも本当は、紐の靴なんて要らない。

仮に紐靴を全部棄てて、スリッポンに替えても、そのことに気づく他人なんぞ誰一人もいない。社会には、紐なしでもサラリーマンとしてギリギリ・セーフな靴がゴマンと売られている。

己っちが、財布はおろか一円たりとも現金を持たないことを決して誰も知らない。「あの人、紐の靴も履かないし、キャッシュも持ち歩かないし、変な人よね」とはならない。

ジャケットは平凡なネイビー、ワイシャツは白のボタンダウン、ペンはモンブラン、スマホはiPhone。一見するとおかしなところは何もない。そう見られることにかなり神経を使う方だ。しかし実は、それよりもずっと、何かをしないこと、余計なものごとを棄てることばかり考えている。

「本当にこんなもの必要なのか」

「これ、抜いても誰にも気づかれない柱だな」

「アルコールやニコチンを嫌っているなんて普段はおくびにも出さないけど、実は、依存している人たちのことを憐れんでる」