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徒手空拳日記

持たざる移動を追い求める手ぶら評論家。 手ぶらを、いつか当たり前のウォーク・スタイルにする。 人の行く裏に道あり花の山(利久)

2004年という分水嶺

都内で電車に乗ると、ヤバそうな不審者に出会う確率が高まっている気がする。

雑踏ではスマホ中毒者が邪魔で、歩くこともままならない。ベルリンやニースや秋葉原のようなトラック・アタックがあったら、ソフト・ターゲットに集るスマホ中毒者は、いの一番で轢死する。

やっと出たクリスマス離れ。これは「恋人と過ごすクリスマス」という工業化末期の日本的マーケティングの無効化である。

80年代に工業製品が飽和してからはソフトパワーで主に若者に消費させることが、マーケティング課題となった。

吉田修一原作の映画『悪人』では、テレクラで知り合った女を加害者が山中で殺すのがクリスマス。クリスマスに日本人の感じる孤独なぞ、本来は必要ない寂寥である。

『悪人』は2006年3月から2007年1月まで朝日新聞に連載された。舞台は長崎や佐賀。10年後のいま多くの日本人が直面する虚無を、吉田修一はいち早く彼の故郷に見据えている。

己っちが大阪や佐賀を旅行して驚くのは、東京にいると丸でわからない衰退であり、その背後には孤独と貧しさに息を詰める人々がいる。

日本で、若者へのマーケティングが行き詰まったのは2004年頃で、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒットした頃。若者を世界の中心と言ってしまった…これ即ち、若者に空手形を振るマーケティングの終わり。

電通や博報堂やフジテレビやマガジンハウスが世間的にカッコよかったのは、ギリで2004年頃までではないか。今ではすっかり醜態をさらけ出しているのは、ご存知の通り。若者を中心に置き食い物にした「トレンディ企業」の断末魔は、滑稽ですらある。